離婚公正証書のメリット
離婚公正証書を作成するメリットは数多くありますが、「証拠としての効力」「強制執行が可能」「心理的圧迫」が強いです。
証拠としての効力
例えば、Bさんがどうしても貸したお金を返済してくれないため、訴訟を提起した場合、借金の事実があったとしても訴訟の場で証明できなければ敗訴してしまいます。公正証書を裁判所に証拠として提出すると有力な証拠となります。
離婚公正証書に執行認諾約款があると強制執行が可能
金銭債権に限りますが公正証書に「執行認諾約款」が記載されると、裁判を起すことなく直ちに強制執行が可能です。
特に財産分与の分割払いや、慰謝料の支払い、養育費など長期の支払いが発生する場合は、今後のトラブル防止のためにも執行認諾約款付きの離婚公正証書を作成しておくことお勧めします。
養育費の未払いのご相談をいただくことがありますが、離婚のときに口約束などで終わらせてしまうと、トラブルが生じたとき逆に費用がかかることが多いのでご注意ください。
公正証書による「心理的圧迫」
公正証書の法律上の効力は、訴訟が提起されたり債権者が強制執行を決意したときに威力を発揮します。相手はこのことを意識しているだけでかなりのプレッシャーになりますし、法律上の効果だけでなく事実上の返済を促す作用をもつかと思います。
離婚公正証書が保管される
公証役場に離婚公正証書原本が保管されるため紛失や盗難の恐れ、偽造の心配がありません。火事や盗難などにより紛失した場合でも、再発行してもらうことも可能です。
保管期間は原則として、離婚公正証書原本作成年度の翌年から20年間となっております。公正証書原本が公証役場という公の機関に保管されるため紛失の心配がなく、保管料も発生しません。
嘱託人が同意すれば5年間に短縮されます。